Work & Career

インハウスデザイナーとデザイン会社のデザイナーの違い|3つの働き方を経験して感じたこと

takaco

デザイナーと一口に言っても、働く環境はさまざま。
「デザイン会社」「インハウス(事業会社)」「フリーランス」など、働き方によって求められるスキルや日常のスタイルは大きく異なります。

私はこれまで、デザイン会社・フリーランス・インハウスのすべてで6年以上ずつ働いてきました。
それぞれに良い点・大変な点があり、「どれが正解」というものはありません。
この記事では、私の実体験をもとに、それぞれの働き方の特徴や向き・不向きについて紹介します。

🎨 デザイン会社:技術と経験を一気に磨ける場所

美術短大を卒業後、私はまず制作会社(デザイン会社)に就職しました。
転職を経て2社を経験しましたが、ここでの数年間はとにかくがむしゃら。
多くの案件を同時にこなし、食品・コスメ・ファッションなど幅広い業界のデザインに携わりました。

デザイン会社で働くメリット:

  • 多種多様な案件を通じて経験値が圧倒的に増える
  • ディレクター、プログラマー、アートディレクターなど、プロ同士で刺激し合える
  • 新しい技術やトレンドをすぐに試せる環境がある

特に若いうちは「数をこなすこと」が一番の成長につながります。
ハードワークではありましたが、この時期に身につけたスキルと体力が、その後のキャリアを支えてくれました。

「ものづくりをとことん学びたい」「クリエイティブな環境に身を置きたい」なら、最初はデザイン会社が最適だと思います。

💻 フリーランスデザイナー:自由と責任のバランスが鍵

デザイン会社で働いた後、体調を崩したことをきっかけに独立。
特に営業をしたわけではありませんが、以前の人脈から仕事の依頼をいただき、自然とフリーランスとして活動を始めました。

フリーランス時代は、一人で完結する仕事よりも、他のフリーランス仲間やディレクターとチームを組んで進める案件が多くありました。
この「横のつながり」は、会社員時代のネットワークがあったからこそ築けたものです。

また、意識的に社会とのつながりを持つことを大事にしていました。
ランニングチームに入ったり、イベントボランティアに参加したりと、仕事以外の関係をつくることで、発想の幅が広がりました。

フリーランスで働くメリット:

  • 自分のペースで働ける
  • 働く場所や時間の自由度が高い
  • 自分次第で仕事の内容や方向性を選べる

ただし、完全に一人で完結する案件は少なく、
営業・経理・クライアント対応なども自分で行う必要があります。
自分から積極的に動けるタイプの人に向いている働き方です。

私はフリーランス時代、イギリスへ短期留学し、語学学校や美大のサマーコースを受講しました。
海外にいても日本の案件を続けられる働き方は、まさにフリーランスの魅力だと感じました。

🏢 インハウスデザイナー:ビジネス感覚を磨く場

フリーランスとして7年活動した後、私は事業会社に転職しました。
現在もその企業に勤めていますが、ありがたいことに「副業OK」という柔軟な環境です。

インハウスデザイナーの魅力:

  • 会社全体のビジネス構造が見える(経営・戦略・予算など)
  • デザインがどう“事業”につながるかを実感できる
  • 他職種との連携を通じて視野が広がる

特に大企業やブランド力のある企業では、デザイン部署がしっかり整備されており、専門職として成長できる環境があります。
一方で、デザイナーが数人しかいない企業では、技術を磨くよりもビジネス全体を理解する力が求められるケースも多いです。

デザインスキルを活かしてマネジメントや戦略に関わりたい人にとって、インハウスは非常に良い環境です。
大きな予算を扱う経験もでき、デザイン以外の力(企画・分析・経営視点)を伸ばせます。

性格・フェーズに合わせて働き方を選ぶ

デザイン会社・フリーランス・インハウス。
どの働き方にも、それぞれのメリットと学びがあります。

  • 技術を磨きたいなら → デザイン会社
  • 自由に働きたいなら → フリーランス
  • ビジネスを学びたいなら → インハウス

どれが“正解”というよりも、今の自分に合うかどうかで選ぶことが大切です。
そして、キャリアのフェーズごとに柔軟に変えていくのもひとつの選択。

時代とともにデザイナーの役割も広がっています。
自分の価値観と成長ステージに合わせて、働き方をデザインしていきましょう。

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