Creative Skills

デザイナー駆け出しの頃にやってよかった3つのこと|20年後も役立つスキルの身につけ方

takaco

デザイナーとしてのキャリアを始めたばかりの頃、
何をすれば良いのか分からず、手探りで進めていた時期がありました。

あれから20年以上経った今、
「やっておいて本当に良かった!」と感じる習慣や学び方があります。
今回は、私が駆け出しデザイナーの頃に実践して役立ったことを3つ紹介します。

とにかく100個つくる

私は美大出身で基礎はありましたが、「すぐお金になるスキル」はありませんでした。
そこでまず始めたのが、スクラッチからのコーディング練習です。

自分の好きなWebデザインをキャプチャして、
デザイン部分は真似しながら、とにかく100サイト作ることを目標にしました。

この時の目的は「デザイン」ではなく「コーディング」。
見た目は真似でも、自分の手で組み立てる経験を積むことに集中しました。

結果として、この経験が今でも大きく役立っています。
Webデザインだけでなく、ディレクションやプロジェクト管理でも、
構造を理解していることでコミュニケーションがスムーズになりました。

この段階でのポイント:

  • 数をこなす(例:100個など具体的な目標を立てる)
  • 1つのスキルに集中する(デザイン・コーディング・イラストなどを分ける)

コーディングに集中したことで、
自然と「デザインを見る目」や「構造の美しさ」を学ぶこともできました。

チュートリアル本は“1冊をやり切る”+アウトプットする

新しいスキルを学ぶとき、私はいつもチュートリアル本を1冊やり切ることを大切にしています。
最初に取り組んだのは「JavaScript」の入門書でした。

1冊を通して最後までやりきることで、知識が線でつながり、理解が深まります。
さらに、同僚たちと「アウトプットの会」を開催し、学んだことを共有していました。

それぞれが違う本を読み、自分の言葉で説明する。
この方法は学びを定着させるだけでなく、他分野の知識にも触れられるのでとても効果的でした。

ポイント:

  • 本は1冊を最後までやり切る
  • 学んだことを人に話してアウトプットする
  • 仲間と一緒に取り組む

仲間と学ぶことで、モチベーションが続きやすくなります。
「やり切った!」という成功体験が次の挑戦への自信にもつながりました。

デザイントレースは“1px単位で”観察する

美しいデザインを学ぶには、観察力を鍛えることが大切です。
私は気になるWebサイトやバナーを集めて、トレースしていました。

ただし、なぞるのではなく、隣に並べて見ながら描く方法です。
一見同じに見えても、実際はバランスや余白が微妙に違うもの。

仕上げたあとに、1px単位で実際のデザインと重ねて比べ、
どこが違うのかをチェックしていました。

この練習を重ねるうちに、
「美しいデザインには共通する法則がある」ことに気づきます。
行間、曲線の流れ、余白のとり方など、どれも理論ではなく“感覚として”身につきます。

ポイント:

  • トレースは“なぞる”ではなく“観察して再現する”
  • 1px単位での違いを分析する
  • 美しいデザインの共通点を見つける

この経験が、後のデザインディレクションにも大きく生きています。

「数・集中・やり切る・観察」でスキルは磨かれる

ここまで紹介した3つに共通するのは、次の4つです。

  • 数をこなす(量は質を生む)
  • 1つに集中する(あれこれ手を出さない)
  • やり切る(途中でやめず最後まで)
  • 観察する(小さな違いを見逃さない)

どんな分野でも、この4つを意識すればスキルは必ず伸びます。

私が「絵が上手い」と言われたのも、
特別な才能があったわけではなく、圧倒的に描く量が多かっただけ。
数をこなすことで、自然と上達します。

完璧を目指す必要はありません。
大切なのは「やり切ること」と「続けること」。
その積み重ねが、20年後の自分を支えてくれる力になります。

少しでも、今デザインを学んでいる方のヒントになれば嬉しいです。

記事URLをコピーしました